電車を乗り継いで向かった海水浴場。
当たり前のように繋がっている手に嬉しさを感じる。
海の家に入ると、水着に着替え、美幸を待つ。
「あ、あのお一人ですかっ?」
突然、2人組の女の子に声をかけられた。
「もし良かったら、私たちと一緒に遊びませんか?」
えっと……これはつまり逆ナンか?
「あー、ごめん。俺、彼女待っているから。」
「そ、そうですか。」
悲しそうに上目遣いをしてくる。
……絶対計算だろ、こいつ。
「悪いけど、俺は相当彼女溺愛してるし。絶対に無理。他のあたって。」
片思い歴10年なめんなよ。
「溺愛って……恥ずかしい……けど嬉しい。」
後ろから微かに聞こえた声。