ケータイ小説 野いちご

淡い色に染まるとき。

第1章
♂優しさと怖さと♀

「古市さん、これをお父さんに渡してくれるかな」


休み時間、担任の先生からプリントを渡された。

じっくり見てみると、授業参観に出席するかどうかの内容だった。

恐らく、彼は来ることは出来ない。

平日は勿論、土日も部活があるから休みなんて無理だ。


もし、これを渡してしまったら、必死になって用事を終わらせて来てしまうはず。


ノートに挟んで、後で処分しようと決めて、友達の輪の中に入った。



「授業参観って嫌だなぁ」


「当てられたら嫌だからでしょ?予習しときなさいよ」


「皆、緊張しちゃうよねぇ」



3人も授業参観のことで話していた。

でも、今回の授業参観は体育だから当てられることはないね。


花ちゃんは鏡を見て溜息を吐いた。


「お洒落もしなきゃ、目立たないのよね」


「体育なんだからお洒落したって無駄無駄」


唯香ちゃんは鏡を取り上げて、自分の髪型をチェックしていた。

今日の唯香ちゃんの髪型はポニーテール。

花ちゃんは鼻で笑って、鏡を奪い取った。




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