ケータイ小説 野いちご

淡い色に染まるとき。

第1章
♂恋をしよう♀

最近、家の周りに高校生くらいの女の子がよくうろついている。

最初は引っ越してきた人かなと思っていたが、毎日同じ制服を着た色んな女の子が来ている。

一体、何なんだろう。


彼が帰ってくる頃にはいなくなる。

何かされたわけでもないし、報告することでもないと思い、何も言わなかった。


ただ毎日、ポストに大量の手紙が入っていることは彼も知っている。

それを部屋に持っていく。捨てるのか読むのか分からないけど、私には関係ない。


関係、ないと思っていた。


「ねぇ、古市恭っていう男の人、知らないかなぁ」


学校から帰ってきて、家に入ろうとすると数人の女子高生に話しかけられた。


「えっとねぇ、こんな人なんだけどぉ」


携帯の待ち受け画面を見せられて聞かれたが、何と答えていいものか。

彼の横顔が写った写真、勝手に撮ったんだろうな。

どうしようかと悩んでいると、後ろから頭を撫でられた。


「おい、お前ら。何やってんだ」


彼が怖い顔をして女子高生達を睨んだ。

女子高生達は言い訳をしていたが、彼は淡々と怒る。

私は彼の手を掴んだまま固まっていた。

こんな彼を見るのは初めてだ、少しだけ怖くて目を閉じた。


「俺はお前らの友達じゃないんだ、先生と生徒だ。やっていいこと、悪いことくらい、お前らも分かるだろう」


「でも…先生、私達…」


「お前らの気持ちは嬉しいよ。でも、こういうことはやめてくれ」


女子高生達は泣きながら帰って行った。

残された私達は彼女達を見送った後、部屋に入る。


「ごめんな、あんなとこ見せて」


『大丈夫だよ』



もう怖いなんて思わない。

優しくて面白いいつもの彼に戻った。



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