理由は確か、美人だけどどこか近寄り難
くて、迂闊に手を出せないから……とか
なんとか。



別に自分を不細工だと思ってる訳じゃな
いけど、特別美人だとも思わない。



ただ、近寄り難いっていうのはそうかも
しれない──いや、そうであってほしい




だってわざとそうしてるんだから。



これだけ無表情で、休み時間は読書か勉
強なんてしてる女、近寄り易いなんて思
う人はいないに決まってる。



───それでいい。




それを望んでるんだから、私は。



私の席は、窓際の後ろから二番目。



無言で席に着くと、隣から声をかけられ
た。



「麗ちゃんおっはよー!一時間目、どう
したのー?」



チラ、と顔を横に向ける。