朝、起きたらする事。



とりあえず制服に着替えて、朝飯を口に
含み、洗面所に駆け込む。



朝、低血圧な俺は、寝起きが悪いため、
時間の余裕はない。



洗面所で、髪のセット。


ふと、金色に混じって根元が黒いのを見
つけた。



……そろそろ染めどきか。



髪を軽く整えて、俺はピアスを手に取っ
た。



小さな藍色のピアス。


これを見ているとどうしても感傷的にな
ってしまう、彼女を思い出して。──な
んて、柄じゃねーけど。



ふ、と小さく嘲笑してから、ピアスを着
ける。



俺の耳にある藍色の鈍い光は、俺への戒
め。



あの時の気持ちを忘れないように。──
俺が、忘れたくないから。