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「あれ、店やってない…」


あたしたちは、とりあえず、
刀を置いてきたあの池田屋に来ていた。


が、明かりもついてないし、
人の気配もない。


夜だからやってない…
という訳じゃない←


まぁ、あんな事があったわけだし、
そんなすぐ営業なんてできないよな…←


なんて考えながら、
池田屋の中へと入った。


すると、亡骸はもう無いものの、
襖や物が散乱していたり、
部屋は真っ赤に染まっていたり、
まだ激しい戦いの跡が残っていた。


「わー…、日向ちゃん、こんな所で戦ってたの!?」


鈴ちゃんが驚きの声をあげた。


これを見てビビらないのは、
凄いと思うよ鈴ちゃん…←


流石、
妖怪であり殺し屋の鈴ちゃんだ。←


そして、あたしが刀を置いて来た二階へと向かう。


やっぱり、そこはあたしたちの激しい戦いの跡が残っていて。


「…っ」


あたしは、つい一週間前の事を思い出し、顔を歪めた。


此処であいつらを斬ったんだよな、あたしは…


「日向ちゃん、大丈夫…?」


そんなあたしの様子に気づいたのか、
鈴ちゃんが心配そうな顔で言った。


「あ、あぁ、大丈夫だよ。」


それより、
そう言って、あたしは部屋の中を見渡す。


刀を探さなきゃ…


しかし、


そこにあたしの刀は無かった。


「刀無いねぇ…。日向ちゃん、他に心当たりは?」


鈴ちゃんも部屋を見渡して言った。


…。


心当たり、か…。


「…ん…み…」


「ん?何処?」


あたしの声が聞き取れなかったのか、
鈴ちゃんが聞き返した。


「…多分…、新撰組のとこにある…。」


きっと、此処は新撰組が片付けたんだろうから、多分刀も持って帰ってる。


あの場にいたのが土方なら尚更。


けれど、


「…でも、日向ちゃん…」


鈴ちゃんがまた心配そうな顔をする。


多分、あたしが新撰組に戻れないと言ったからだろう。


「私がとってこようか…?」


鈴ちゃんがまた言う。


「…いや、それはダメでしょ。」


ただでさえ、怪しい奴はすぐ捕まえる所なのに、殺し屋の鈴ちゃんなんかが行ったら、すぐ捕まえられる。


けれど、刀は取り戻したい…。


無いといろいろ危ないし。


あたしは、意を決した。


「とりあえず、







…新撰組屯所に行ってみる。」


そんなあたしの顔を見て、


「なら、お供するよ!」


鈴ちゃんが笑顔で言った。


刀があるかどうか、
確認して取れそうだったら取る。


決してばれないように。


…あいつらの怪我の具合も気になる。


沖田なんか喀血してたからな…。


いろんな事を考えながら、
あたしたちは新撰組屯所へと向かった。