「はぁ、もう夜かぁ…」 あたしはぶらぶらと静かな町中を歩いていた。 辺りはもう真っ暗で家々の明かりがついている。 あたしは独り身だし、家というものがない。 …まぁ昔はあったけど。 人の家に泊まらせてもらおう とか考えた事があるけど… 人間の姿を維持するのは結構疲れるもので、 寝てたらいつの間にか 白狐の姿に戻るかもしれないから危険なのだ。