ヒミツなんて、もったいつけて…。



絶対に大したことないんだから。



だけど、アイドルのカズと幼なじみだなんて、それはかなりすごいこと。



今はメガネをかけているけど、メガネの奥の優しい瞳は、テレビや雑誌で見るカズと同じ。









みんなで家を出て、あたしは郁実くんの自転車の後ろに乗ることになった。



「やっぱ、俺はここでバイバイしようかな。ファンの子に見つかったら面倒だし」



カズとはここでお別れらしい。



残念!



そのキレイな顔を、もっと眺めていたかった。



最後に握手をして、別れた。



「あ~あ、カズが行っちゃった」



「また会えるって」



「ホントに?」



「っていうか、お前ファンだったわけ?昨日何度もテレビに映ってたけど、スルーだったろ」