シュンと名乗るノゾミさんの追っかけ少年が
「キッチン、使わしてもらいます」
と言ってカウンターの前に立った。

彼は提げていた紙袋から、フォーションの包みを取り出した。

中身は紅茶のリーフとロールケーキ。

しなやかな指が、手際よくストレートティーをいれ、ケーキを皿に乗せる。

シュン君が準備してる隙に、私はノゾミさんを廊下に引っ張り出した。