「わぁぁ。」


そよそよと吹く、春風。

暖かな日差し。

空中を舞う桜の花びら。

あまりにも憧れの入学式にソックリで、思わず声を漏らす。

私、水野 彩は今日からこの緑川中学の一年生。

「あれ?彩?」
「彩じゃんか!」

いきなり声をかけられて、ビックリする。
振り向くと、懐かしい二人の幼なじみがいた。

「ぁ、裕君、晴君。久し振りぃ。」

幼なじみの黒田 裕樹君と安藤 晴希君。
昔はよく遊んでたけど2人が中学に入ってからはちっとも遊んでない。


「うわぁ、チョー懐かしい!」
「彩、部活どうすんの?俺らはテニス部だけど。」


裕君達、テニス部なんだ。
小学の時は運動なんて全くやってなかったのに。


「う~ん、実は迷ってるとこなんだぁ」

テニス部もいいけど、四歳の時から続けてる水泳もやりたいもん。