そんな苦痛の日々もなんとか高校入学と同時に終わりをつげる。
何が変わったって特になにも代わりはしないんだ。いじめはなくなったけど、僕自身は変わらない。体が大きくなっても心は止まったまま。ただ、ひとつ変わってしまったというならば、僕は例えるならばロボットだという事に気がつき始めたことかもしれない。

ガラクタという言葉がお似合いだ。

誰かに言われるがままを生きる。まるで人の形をしたロボット。
いつかは忘れ去られる。いや、いつかではなく、もう忘れられた存在。
こんなロボットならばきっとこれからどう生きようと何も現実はかわらないだろう。誰も愛しはしないだろう。そう考えるようになっていた。

冷たい空気の流れる暗い部屋の中で壁にかけてある時計がチクタクと音を奏でる。
1秒1秒僕を追い詰めていく、いつ人形が爆発してバラバラになるのだろうか。そんな、死のカウントダウンを始めているような感覚だった。