「美しい娘さんですね」




 私はいつの間にか、男の乗る屋形船の中にいた。



 いつか橋の袂で見た遊女のように、艶やかな着物をだらりと着崩していた。



 私は、男の前に立っていた。


 身体の下の方に違和感があり、ちらりと覗いて驚いた。

 尾の部分が二つに割けて、丁度人の足に良く似たものが付いていた。

 私は、人になっていた。