三階は宿泊用の部屋が並んでいる。

 弾力ある灰色の廊下を踏みしめ進む。

 両脇に並ぶ無数の扉。

 その内側は和室の個部屋で、沢山の家族連れが宿泊していた。



 かつて、同じような部屋に同じような顔で笑う家族が収まっていたのだ。



 私は廊下を奥へと進み、ある一室の前で立ち止まった。






 301号室。