宮田は臆病者だ。
誰よりも優しい宮田は誰かを傷つけることをひどく怖がっている。
だから俺は宮田に冷たくするんだ。
「俺は大して好きじゃないよ。」
悲しい色を一瞬瞳に浮かべ、それでも切なく・・・けれど安心したように笑う。
そんな悲しい顔をさせてるのは自分なのに、ひどく心が痛む。
でも君は困るでしょ?
二人は確実に両思い。でもその気持ちに俺が応えてしまったらきっと君はその真実の重さに押しつぶされてしまうから。
今の二人の生きている立場が僕らに容赦なくのしかかる。
だから宮田は確かめるように口にする、自分の気持ち。
俺が拒否することを待っている君。
それを言わされる俺の気持ちを考えたことは君はあるのかな?
君を誰よりも愛しているのにね・・・
きっと宮田よりも。
「ひどーい。僕は玉のこと愛してるのに～」
いつもの嘘の混じった、真実。
どっちが君の本当の気持ち?
「・・・ふーん。俺も実はお前のこと好きなんだよね。」
ニヤリと意地の悪い笑みを顔に貼り付けた。
「・・・っ。またまた。本気にしちゃうよ。」
ほらね、君の気持ちに応えたら、君は途方にくれた顔になるくせに。
「嘘に決まってるじゃん。俺宮田に興味ないもん。」
一瞬安堵の色を浮かべた宮田に軽くいらつきを覚えた。
「だよね～。でも俺は好きだよ。」
怖いから、自分の気持ちと俺の気持ちを確かめるためにつぶやく言葉。
その言葉に重い感情は込められてはいないのだけれど。
ひどく、俺の心を縛るのだ。その甘やかな、嘘は。
「・・・覚悟しとけよ。」
小さく小さくつぶやく。君の耳には届かないくらい小さく。
「え?玉なんか言った?」
少し不安な色を浮かべる宮田。
イラツク、イラツクけれど・・・その顔を見るのは嫌いじゃない。
「別に。」
だから今は少しの間、優しい嘘を君にあげる。
愛してる、なんて伝えたら臆病な君はきっと怖がって膝を抱えてうずくまってしまうから。
「たま～」
腕にまとわりつく宮田をいつか俺は壊す日がくるのだろう。
ごめんね。大好きになって。
ごめんね。俺を好きにさせて。
だからもう少し、子供のままでいてあげる。
君が真実を伝えても笑えるくらい、強くなる日が来たら・・・
そのときは覚悟して。
俺は躊躇なく君をこの手に・・・
FIN
誰よりも優しい宮田は誰かを傷つけることをひどく怖がっている。
だから俺は宮田に冷たくするんだ。
「俺は大して好きじゃないよ。」
悲しい色を一瞬瞳に浮かべ、それでも切なく・・・けれど安心したように笑う。
そんな悲しい顔をさせてるのは自分なのに、ひどく心が痛む。
でも君は困るでしょ?
二人は確実に両思い。でもその気持ちに俺が応えてしまったらきっと君はその真実の重さに押しつぶされてしまうから。
今の二人の生きている立場が僕らに容赦なくのしかかる。
だから宮田は確かめるように口にする、自分の気持ち。
俺が拒否することを待っている君。
それを言わされる俺の気持ちを考えたことは君はあるのかな?
君を誰よりも愛しているのにね・・・
きっと宮田よりも。
「ひどーい。僕は玉のこと愛してるのに～」
いつもの嘘の混じった、真実。
どっちが君の本当の気持ち?
「・・・ふーん。俺も実はお前のこと好きなんだよね。」
ニヤリと意地の悪い笑みを顔に貼り付けた。
「・・・っ。またまた。本気にしちゃうよ。」
ほらね、君の気持ちに応えたら、君は途方にくれた顔になるくせに。
「嘘に決まってるじゃん。俺宮田に興味ないもん。」
一瞬安堵の色を浮かべた宮田に軽くいらつきを覚えた。
「だよね～。でも俺は好きだよ。」
怖いから、自分の気持ちと俺の気持ちを確かめるためにつぶやく言葉。
その言葉に重い感情は込められてはいないのだけれど。
ひどく、俺の心を縛るのだ。その甘やかな、嘘は。
「・・・覚悟しとけよ。」
小さく小さくつぶやく。君の耳には届かないくらい小さく。
「え?玉なんか言った?」
少し不安な色を浮かべる宮田。
イラツク、イラツクけれど・・・その顔を見るのは嫌いじゃない。
「別に。」
だから今は少しの間、優しい嘘を君にあげる。
愛してる、なんて伝えたら臆病な君はきっと怖がって膝を抱えてうずくまってしまうから。
「たま～」
腕にまとわりつく宮田をいつか俺は壊す日がくるのだろう。
ごめんね。大好きになって。
ごめんね。俺を好きにさせて。
だからもう少し、子供のままでいてあげる。
君が真実を伝えても笑えるくらい、強くなる日が来たら・・・
そのときは覚悟して。
俺は躊躇なく君をこの手に・・・
FIN
