「ナオ!」


――次の日。

2日連続で龍ちゃんの“愛”を受けて、またまたルンルン気分で出勤した私。


事務室の扉を開けるなり、ヤマトが笑顔で駆け寄ってきた。


「昨日は悪かったな。つき合わせちゃって」


相変わらずのスーツ姿で、申し訳なさそうに謝ってくる。

…今日も“研修”なのか。


昔話をしちゃったせいで、その格好には、いっそう違和感を感じるけど…

まぁ、お互い成長したってことだよね?


「ううん、全然。私も楽しかったし。」


そのおかげで、夫婦の愛がさらに深まったしね。

龍ちゃんのヤキモチ…

思い出しただけでも頬が弛んでくる。


「ならいいけど…帰り、大丈夫だったか?」

「え?あー…」



そう言えば…

“危ないから送る”って心配してくれたのに、断っちゃったんだっけ。

ヤマトはすごい気にしてたんだよね。


「大丈夫だよ。あそこからすぐだし…」


ヤマトと別れてすぐ、龍ちゃんに電話して迎えに来てもらったから。


「そっか?だったら…」


ごめんね、ヤマト。

ヤマトは大事な友達だけど、こればっかりは、言えないんだよね…