「あ、西野さん、おはよう。今日なんだけど…」


――次の日。


昨夜の余韻に浸りつつ…
浮かれた足取りで“出勤”した私は、

事務所に入ってすぐ佐々木さんに呼び止められた。


「あっ!おはようございますっ」


明るく元気にご挨拶。

よし、完璧。


プライベートが充実してると仕事にも精が出る、ってホントだよね。

……バイトだけど、さ。


「なぁに?ずいぶんご機嫌ね。何かいいこと、あった?」


笑顔で振り返った私に、これまた笑顔で近づいてくる佐々木さん。


「えっ?わかりますか?」

「そりゃ…その顔を見ればねぇ。」

「ふふっ、実は昨夜…」


幸せすぎて、思わずぽろっと言い掛けてしまったけど…いけない、いけない。


「……?」


佐々木さんは不思議そうにしてるけど…

さすがにそこまでは言えないよね。

“夫婦の”ことだもん。




昨夜――


あの後、家に入ってから、龍ちゃんは約束通り“つづき”をしてくれて…

久しぶりに、熱ーい夜を過ごしたんだよねぇ。


最近、仕事が忙しいせいであんまりかまってもらえなかったけど…

昨夜ので全回復!

しばらくは頑張れるかなぁ…なんて。



「…そうそう。」