ケータイ小説 野いちご

嘘と微熱と甘い罠

指先と指先


それからの相良は。

それはもう至ってフツーで。

いつもと変わらなかった。





おかしくなったのは私の方。

だって!!

あんなことされてフツーでいろって方が無理でしょ!?

相良がドリンクホルダーにさしてあるコーヒーに手を伸ばす度。

あの手がまたこっちに来るんじゃないかってビクビクするし。

左右確認でキョロキョロしてるだけなのに。

顔を合わさないように無理矢理外を見たり。





…意識しすぎでしょ、私…。





気を緩めると頬に思い出す感触に。

自分で自分に呆れながら。

相良に気付かれないようにため息を吐いた。





外を見ていると。

窓ガラス越しに相良の横顔が見える。

前を向いてハンドルを握ってる横顔。

普段見ているパソコンをいじっている横顔とは何か違うように見えて。

小さく心臓が跳ねた。




< 67/ 325 >