ハンカチ、いつ返そうかな…。

ズボンのポケットの中に入っているのは、根本さんから借りたハンカチだった。

彼がいるであろうワイン倉庫に向かうけど、すぐに足を止めた。

厨房へと引き返そうとするけど、また足を止めた。

わたし、何がしたいのかな…。

厨房と倉庫を行ったりきたりと、まるで不審者だ。

コック服と言う格好で、わたしは一体何をしたいんだ。

今日は、やめようかな…。

ハンカチを返そうと思ったら、いつでも根本さんに返すことができるのだから。

そう思って厨房へ引き返そうとした時だった。