9月第2土曜日。

髪の毛は耳のラインで一つに縛って頭には鉢巻を結ぶ。


今日は体育祭。


「紅組、優勝するぞーー!!」



「おーーー!」


紅組全員が校庭で円陣を組んだ。
全員の大声が重なり、静かな田舎町に響く。

この学校に来て、初めての体育祭。

運動神経に自信のある私はずっと楽しみにしてた。
紅白対抗のリレーの選手にも選ばれている。


「位置についてー!よーい!」


パンッ!


ピストルの音と共に徒競走が開始する。
背の順で走るから力の差がはっきりしてしまう。

私は学年では真ん中あたり。
運良く私の列には特別足が速そうな人はいなかったから1位を捕ることが出来た。

真紀は運動音痴だから苦そうな顔をしてた。

加恋は速い人と一緒になっちゃったから結果は5人中3位。

日菜子も3位だった。


真紀は同じ紅組で一緒になれたけど日菜子と加恋は白組で離れてしまった。


「チカ!1位おめでと!」


退場門で真紀がお祝いしてくれた。


「ありがとー次は男子の騎馬戦?」


男子種目の騎馬戦は毎年、すごく盛り上がるらしい。