「鎖骨、噛み付いてもいいですか。……雄斗さん」


後ろ姿も素敵だ。


引き締まった背中。


その顔が振り向く。目が大きく開かれていた。


「……何言ってんの?」


ワイシャツから覗く鎖骨にあたしは惹かれた。


でも、目の前の男は決して若くない。


既に三十を超えてしまった男だ。


あたしはまだ大学生。19歳。


「にな、どうしたん?」


怪訝そうに聞いてくる。


なんでわかんないのかなあ。


まだ子供だからって思っているのだろう。


大学生を舐めないで欲しい。