「ネェちゃん、可愛いね〜♪」

「俺たちと遊ばない〜?」

聞き飽きたお決まりのナンパゼリフ

感情のない瞳

あたし、こういう奴等……

大っ嫌い!

「ねぇ〜、聞いてる〜?
あ、肩、震えちゃってるよ〜。
大丈夫だよ〜?」

怒りで肩が震えている

もう、我慢できないっ!!

「あんたみたいな奴大っ嫌…「おまえら いい加減にしろよ」

え……?

冷たくて容赦ない声…

振り返るとそこには……

「む、村木っ」
「お、おいっ!やべぇよ!早く行こうぜ
!!」

そう、あたしを助けてくれたのは
「あのグループ」に属してる「あの男」
だった

「あ、あの……助けてくれてありがとうございました……っ」

「あぁ」

それだけ言って彼はスタスタと
暗闇の中へ消えて行ってしまった。

伝説の男。

「風龍」の総長「村木 瀧(たき)」

風龍に逆らったものは生きて戻れないという

「ま、まぁ……
これから関わることなんてないよね」

そう自分に言い聞かせながら、家へと帰った。

この時はまだ

あたしが風龍と深く関わるなんて

思ってもいなかったんだ