俺の兄貴的存在、聖の営むクラブ「HEAVEN」に俺はいた。



フロアでは重低音に合わせて体を揺らす男女。

俺はカウンターに腰掛けて、彼らをぼんやり見ていた。





「輝。今日ね、模試があったの」




目をくりくりさせて話しかけてくる玲に、適当に相槌を打つ。

すると、




「もうっ、輝はあたしの話なんて全然聞いてない!」




案の定ぷんぷんと怒りだす玲。

そんな玲が俺は好きだ。

そして、玲をいじめるのが俺の生きがい。





「だって、お前の話、楽しくねぇじゃん」




俺はそう言って煙草の煙を吐き出した。