ケータイ小説 野いちご

恋する季節 *- confession of love -*

恋する夏
*- 6 -*



*- 6 -*


ジンクスがあるだけに込んでると思われた観覧車だったが、五分程度の待ち時間だった。

Nランドの中央には童話のお城をイメージした大きなお城がある。
その西側で花火が打ち上げられるわけだが、観覧車があるのはお城の東側。
つまりはお城が邪魔をしてあまりよく見えない。

だから待ち時間が少なく済んだんだとふたりで推理しているうちに、順番が回ってきて、係員にそれぞれ三本の糸を渡された。

それを持ってからゴンドラに乗り込むと、すぐに美琴は自分の小指に糸を結ぶ作業に入った。
一周15分として、頂上に着くまで7分半。
不器用な美琴にとっては、一秒たりとも無駄にできないのだ。
その間に三本の糸を小指に結び付けるなんてまず無理に思えたが、せっかく乗ったからには頑張らないわけにはいかない。

「へー。この糸を結べるとうまくいくのか。
ああ、そういえば今日周りにいた女が何か言ってたな。一緒に結ぼうだのなんだの。
これの事だったのか。
利き手じゃない方って事は、俺は右で美琴は左か」

一方の大和はジンクス自体知らなかったようで、呑気にゴンドラの内側に貼ってあるジンクスの説明を見て笑う。
それから、必死に結ぼうとしている美琴の指先がどんな状態になったのかを見ようと、身体を乗り出した。




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