―俺と直の絆―





陣痛で苦しんでいる直の手を握りながら、俺は思い出していたんだ。




直のことを好きになってしまった頃のこと。


そして、直から好きだと言われた時のこと。




だめだってわかっていた。




どう考えたって許されることじゃない。



生徒と恋愛するなんて。






俺は卒業するまで待ってと言ったが、直は“今一緒にいたい”と言った。





それはわがままでも何でもなかった。



本当に、あの時一緒にいることが俺たちにとって大切だったんだ。