はるかは今日もベッドの中にいた。

ずっと大切にしてきたぬいぐるみのくまたんに話しかける。


「くまたんになら、素直にすべてを話せるの。

不思議だね。


ねぇ、くまたん。

また、サッカーしたいな。
大学生になったら、またできるかな。」




高校3年の冬を迎えていた。


「くまたんは、昔のわたしと今のわたし、どっちが好きかな?


こんなわたしじゃ、だめだよね。」



わたしは、膝の痛みに4年ほど悩まされている。

サッカーもできなくなった。

ひどいときには、日常生活にも支障が出た。


膝の怪我は、はるかからサッカーだけでなく、
多くのものを奪っていった。


笑顔、友達。はるかはそれさえも失った。