「うっわ、ごめんなさい!」

「...............別に、いいよ。」


書道の授業が終わり、筆を洗いに行こうといた時。墨がたっぷりついた筆を前にいた人につけてしまった。


シャツにつけてしまったのかと、全身が冷たくなるような感覚に陥った。
しかし、その人は腕まくりをしていていたので腕に直接ついていた。


「あの、ちょっと待って。」


私はティッシュを取り出し、水道へ走っていって、水をつけた。


そして、その人の元へ戻ると、その人の腕を取って、墨を一生懸命に取ろうとした。


「え、いいって。」

「待って、悪いから。」


どこかへ行こうとしてしまうのを引き止める。