妙に陽は冷静だった。
何かすぐに返答が来るだろうと思っていたけれど、返ってこなかった。


何故ならば、陽は自動販売機で飲み物を買っているから。

お金を入れて、ボタンを押して何かを選んだみたい。


ああ、最初から陽は、飲み物を買う目的でここに来たのか。
何故あのタイミングで、わざわざここに陽が?と少し考えていたから。


ガタン、
飲み物を手にした陽は、私に向き合った。


「優、それ本気で言ってんの?」


優、と呼ばれて胸が高鳴る。
陽が真っ直ぐな目で私を見る。


だから、目を逸らすことなんて出来ない。
いや、させてくれない。



本気なわけない。
望んでいるわけないじゃない。