「優ちゃん、優ちゃん。」

つんつん私をつつく。
それを無視するけれど、尚続けるその人。

「優ちゃん、優ちゃん、優ちゃん。」

「あぁ、もう、うるさいなあ!」

立ち上がって振り払う。
その手の持ち主は今野君。

「美子も何とかしてよ!」

「そう言われてもね~。」

昼休み。

私は、英語のプリントの宿題を忘れてしまった。
しかも次の授業は英語。

美子はプリント自体を忘れ、クラスの人も私同様、宿題をやり忘れて今やってる人がほとんどなので、見せてくれる人が居ない。

だから、今すごく集中してやりたいのに........。


「まずね、他クラスに入るところから問題なの。邪魔しないで。」

「そんなー。」

最近この教室に頻繁に出入りする今野君。
今野君の部活を見に行ってからはかなり仲良くなった。