「それって他に誰が行くの?」 私は隣にいる谷崎新一(しんいち)に今作ったばかりの笑顔で尋ねた。 わかってる。私だってそんな鈍感じゃないし。 ぐっと手を握りしめて、少し震えた声で私を誘った彼が まさか、大人数で祭りに行く誘いをしたわけじゃないってことくらい。 わかってたけど、私自身、どうすればいいのかわからなかった。