「奈緒…!!」



「……!?」



この声って…。



声がした方を振り向くと、そこには女を送って行ったはずの大智がいた。



「なん、で…。ここにいる、のよ」



どうしよう、うまく喋れない。



「奈緒が帰ってこねぇから探しに来た。どうした?泣いてんのか?」



大智は屈んで奈緒と目線を合わせた。



「泣…いてない」



スッと目線を外した。



「嘘付けよ。目、真っ赤だぞ」



手を伸ばしてくる大智の手をゆっくりと払いのけた。