「美桜、そろそろご飯にするから手伝って」



時刻はもうすぐ7時半。


部活を終えた理人と翔平が帰ってくる時間。


忙しそうに台所をパタパタと動くお母さんの指示に従って、あたしも側で手伝う。


決して料理は得意じゃない。


料理を作るのはおろか、言われた通りに盛りつけたって、どこかセンスがなくて2人からもいつも散々な言われよう。


理人なんて『嫁に行けるのか?』って余計な心配までしてくれちゃってる。



5人分のお皿やお箸を並べていると、ふと、つけっぱなしになっていたテレビに目を奪われた。