「ねぇ、宇宙君。どうしていつも私服なの?」


宇宙君と出会った日から2週間が経った。


あたしは毎日欠かさずこうやって宇宙君のいる神社へ足を運んでいる。



「制服が好きじゃないから。それに、前みたいにバッグひったくられたらめんどくさいだろ」


「ふぅん……。あたしは宇宙君の制服姿カッコいいと思ったけどなぁ」


宇宙君は呆れたようにため息を吐く。


「……あのな、お前、男にカッコいいとかそういうこと簡単に言うなよ」


「言わないよ。あたし、宇宙君以上にカッコいい男の子見たことないもん」


「だから、そういうこというなって言ってんだよ、バカ」


「宇宙君にバカって言われると何かリアルで嫌だなぁ……」


唇を尖らせるあたしの横で呆れたように笑う宇宙君。


いつものように神社の階段に座りながら何てことのない話に花を咲かせる。