どうしよ…授業始まっちゃう



でも

教室に戻りたくないな…




ーガラッ




図書室のドアが開いて、そこには





「はぁ…はぁ…」




息を切らせて


私をまっすぐ見つめる平田くん。





私って本当に自分勝手。




さっきまで会いたくないって思ってたのに


平田くんが来てくれて
嬉しいって思ってる。




ずかずかと私の方へ歩いてくる。



怒ってる…よね。




「…」





私と平田くんの距離は机ひとつ。



それだけなのに

すっごく遠く感じる。




何も言わずに

ただ私を見つめる平田くん。




そのまっすぐな瞳からは逃げられない。





「あのさ…俺、なんかした?」




急に平田くんの目の色が不安になる。




精一杯

首を横に振る。




「よかったぁ…」




少しさみしそうに安堵する平田くん。



けど

次の瞬間にはまた私を見つめて




「じゃあ…なんで?なんで避けんの」




また不安そうな顔で聞く。





…私、ばかだなぁ


自分のことばっかり考えて



平田くんをこんなに傷つけてた。





「…なさい。ごめんなさい…。」




自分のふがいなさに涙が溢れてきた。




「…っ!」



そんな私を見て

目を大きく見開く。




…迷惑だよね。


泣ゃまきゃ…!



けど、止まらない。




すると



「泣くな。
たまってること全部言って。」



そう言って

優しく抱きしめくれた。