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「奈々さーん、あたし今、もれなく“世界が灰になれ病”を発症中なんでござんすよ。これからしばらくは毒づくつもりでいるから、そこのところ、よろしく頼みますよ」


次の日。

奈々に会うなり、そう宣言をしたあたしは、目についたものに片っ端から毒づき、世界が灰になれと本気で念じていた。

それくらい、あたしはやさぐれている。

それもそのはずだ。


「……なに、その不吉な病気は。全然、お得感がないからね。ていうか、何があったよ!?」

「別れさせられた」

「は!?」

「だってそうなっちゃったんだもん!仕方ないじゃん!奈々よりむしろ、あたしのほうが“は!?”って聞きたいくらいだしっ!」


そう言って、あたしは頭を抱える。

昨日、葉司に別れさせられたのだ、実際に世界を灰にしようと兵器化しないだけ、まだ可愛いものだと諦めてもらいたい。

奈々には、寝込んでもおかしくないような大ダメージを受けている中でも大学に来ていることを、まずは評価してもらえたらいいと思う。

世界が灰になれ病や毒づくほうは、そのうち落ち着いてくるはずだから、今は触れないでいてもらって、とりあえず慰めてくれ……。