ケータイ小説 野いちご

恋はストロングスタイル

ラウンド2(南斗晶)

(南斗晶)

翌日、私は朝から憂鬱でした。


健介君を、好きな男の子を、ドロップキックで倒してしまったのです。しかも一撃で。


これはもう、間違いなく嫌われてしまったに決まっています。


熊を倒した父と、鮫を倒した母を両親に持つ私は、子供の頃から強靭な肉体を持っていました。でも、心が弱く、緊張するとプロレス技を出してしまうという変な癖を身につけてしまったのです。


この癖のせいで、何度もまわりに迷惑をかけてきました。


小学校の学芸会で、シンデレラのお芝居をやった時は、王子様役の男子を袈裟切りチョップで気絶させてしまいました。


中学時代に、レスリング部の全国大会で優勝した時は、表彰式で、レスリング協会の会長さんをノーザンライトボムで床に叩きつけてしまいました。


もう、嫌になってしまいます。


高校生になってからは、普通のかわいい女の子になろうと、高校デビューしようと思って、いろいろと努力をしました。母に教わった山籠もりダイエットで、体をシェイプアップしました。髪型やファッションにも、いろいろと気を使いました。全盛期のキューティー鈴木くらいには綺麗になれたつもりでした。


でも、その努力も、昨日のドロップキックで全てがパーです。
今日、どんな顔で健介君に会えばいいのでしょうか?


考えると、気が重くなります。早朝練習での、いつもは千回こなせるスクワットも、今朝は七百回しかできませんでした。


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