(代々木健介)

翌日から、俺は練習を強化した。


アトミック南斗を見て、プロレスラーという人種は怪物だと思った。そんなプロレスラーと、思いきり試合ができるのだ。
この戦いに勝てば、俺は更に強くなれる。


一週間、全力で修行した。
指の皮が裂け、血が滲むまで巻き藁をぶっ叩いた。汗で水溜りができるまで、サンドバッグを蹴り続けた。


俺は、親父と違って、プロレスというものをよく知らない。
少し本で読んでみたが、なんとプロレスというのは、五秒以内なら、どんな反則も許されるらしいのだ。
なんというルールか。五秒以内なら銃や刃物を使ってもいいわけだ。


今までに触れたことない、全く未知の世界だった。


そんなプロレスラーと、真剣勝負をやれるのだ。

面白え。
全身に震えが走った。武者震いだ。