「先生っ!!」

「…お、おう。」

少し気まずそうに下を向く先生。

「なんで辞めちゃったの…!?ウソでしょ?」

「…このままだったら蘭の進路が

 危なくなるだろ…?」

と笑って頭をなでた。

…ずるい。

なんで、こんなときまで

人の事を考えてられるのか。

自分のことで精いっぱいなんじゃ…

「でも…。」

"山野さんと先生のキスの写メ"

をそのとき想像してしまい苦しくなった。

「山野さんなんてひどいことしたじゃ

 ない!なんでそんな子のこと…」

「鈴香。鈴香。」

と先生は私を優しく呼び、抱きしめた。

「俺はさ、生徒となっちゃだめな

 関係になったんだ。しょうがない。」

「でも、あたしとのことで一回

 ばれそうになったのになんで…」

と言うと先生は深呼吸をした。