「うわあっっ!!!」

ガシャーンッと派手な音をたてて、僕の手から滑り落ちた皿が床に勢いよく落下していく。

もう拾えないことは分かっていたから、反射的に、顔を覆うように腕を前につきだしていた。


恐る恐る視線を下げると、白いガラスの破片が散らばっているのが分かる。

思わず後ずさりするが、


「痛っって!!!!」

不覚にも、後ろにも飛び散っていた欠片にかかとを攻撃され、なるべく動かないようにしてその場で飛び退いてしまう。


・・・・・・困った。


沙由を呼ぶしかないと思い、顔を上げた視線の先には、

「・・・お兄ちゃん・・・」

右手にほうき、左手にちりとりを持った沙由が、呆れ顔を浮かべて仁王立ちになっていた。


「・・・準備がよろしいようで」

「床掃除やってたの!」