私、相田優奈(あいだゆうな)は中3になって2か月がたった。

3人家族の長女。でも、1人っこではなく2人姉弟。

もう、母を亡くして、2年がたっていた。

特に変わったこともなく、私は中学校生活最後の1年を迎えた。



母がいない私たち家族にとっては私が母親。

弟の晴翔(はると)も中1になり、『寂しい』というような年齢でもない。

でも、本当は寂しいと思っているはず。

母が亡くなった時は私は中1。そして、晴翔は小5。彼はその場では涙は流さなかったけれど、陰で泣いていたのを私は知っていた。強がりな弱い男の子だ。




そんな晴翔は、たまに、家事を手伝ってくれる。晴翔は料理が上手。と、言うか得意。
私より、料理の経験はある。いわゆる料理男子。
お父さんは毎日仕事で、帰りは6時台。私も部活も部活が長くなる時期はある。
だから、晴翔がたまに、料理を作ってくれると、本当に助かる。





これからも変わらない日々が続く。
ずっと。

私と晴翔は学校へ。
お父さんは会社へ。

ずっと変わらない。
そう思っていた。





━━昨日までは。