ケータイ小説 野いちご

人間ゲーム

【第5章】第一ゲーム開始
オレを追う影



「珍しいなー、清川君が遅刻だなんて。」


担任の先生が頭をかきながら、少し笑った。


この学校は遅刻した生徒は教室へ行く前に職員室へ行き、遅刻名簿というノートに、自分の名前を書くようになっている。


それも含めて成績が決められる。


いつも遅くに来ていて、遅刻ギリギリだということを先生は知らない。


だから先生もオレが遅刻だなんて意外だと思ったのだろう。


「すみません、ちょっと寝坊して‥。」


その言葉に嘘偽りがない。


少し床を見ながら、言い訳をした。


「あはは!そうだと思ったよ!寝癖ついてるぞ?」


「え!?」


必死に寝ぐせをなおそうとしたが、どこに寝癖がついてるのかわからなかった。


諦めて、寝癖を探していた手で頭をかく。


「あはは!今日は見逃すよ。」


そんなオレを見て笑う先生。


そんなにオレの行動が面白いのか?


「ありがとうございます!今後気をつけます。では失礼しました。」


少し不満に思ったが、深々と礼をして教室へ急いだ。


まさか寝癖がついていたとはな‥。


まぁ、しょうがないか‥。


短いため息をつきながら、教室のドアを開けた。


「清川遅刻かよ~。」


「わ!寝ぐせついてる!かわいい~。」


昨日の事がまるでなかったかのように、オレに話しかける。


内田幸平に興味がなかったのか?


可哀想にな‥‥。


ま、オレが言っても嘘くさいと思うが‥。



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