歩夢side


その日の放課後

ホームルームが終わり、私は彩と、帰るしたくをしていた。




「でも永井くんが、クッキー受け取ってくれて本当に良かった…!ありがとう、歩夢のおかげだよ♪」


ジャージから制服に着替えている彩は、安心したように言った。





「そんなこと…親友なんだから当たり前♪」

「ハハ♡」


笑い合う私と彩。




「え、ちょ…嫌だ!♪永井くんからメールきたっぽい!」

「マジ!?」


彩が携帯を開いて、興奮している。




「どーしよー!!!」

「見せて見せて♪」


彩の携帯を奪おうとしたとき…




「歩夢」




聞き慣れた声が、後ろから聞こえた。

とっさに振り返ると…



「…慶太?」


教室の後ろのドアから、慶太が私を見て、手招きしていた。




「彩ごめん、ちょっと待ってて」

「うん!ごゆっくり〜♡」


私は彩にそう声をかけたあと、慶太に駆け寄った。