「あ、おはよ」

「おはよ」

徹さんはふわぁ…とあくびをしながらも言ってくれた。

そしてあたしは、徹さんのある場所を凝視する。

すると、徹さんはあたしの視線を気付いたのか、こちらを向く。

その動きでさらにあたしの視線の先のものが動く。

「あははっ」

そしてあたしは思わず笑ってしまった。

「なっなんだよ!」

「だって…寝癖が…」

そう、寝癖。

前髪の毛がぴょこんとはねてて面白い。

すると、徹さんは顔を真っ赤にさせて洗面所へと向かった。

驚くことに、この家には家具、家電など、生活に必要な物がすべて揃っている。

まぁ、家なんだから普通なんだけどね。

洗面所へ行くと、鏡の前で一生懸命髪を直している徹さんがいて、それを見てまた笑ったら

「覗き見禁止ー」

って言ってドアを閉められた。