真聖小学校6年2組、赤崎舜。

僕のクラスで唯一不良化していない一部の人間の一人だ。

しかも僕と正反対の正直者。

だが、それ以外は大して目立たない普通の男子だ。



 「ね?今日はどんな嘘をついたの?」



 「え~?それは秘密だよ~」



冬になってから異様にこいつと仲が良くなった気がする…。

最初はこいつの友達と、次に俺の友達へ……と

どうやって繋がっていったのかあまり覚えていない。

でも、仲良くなれて本当によかったかもしれない。

初めは暗くて、嘘吐きだけが取り柄だった僕に光をくれた君。


大好きって言いたい。

抱きついてしまいたい。


だけど、きっとこいつは僕を“一人の女の子”として

見てくれていないだろう。

それが男と言うものだ…。



 「あ、今日は寄ってかないの?」



 「いいよ…僕、今日は気分が悪いから…」



 「それじゃあ…またね?」



舜は微笑んだまま手を振り、扉をゆっくり閉めた。

30分の会話時間はいつもこんな感じで幕を閉じる。


寂しい…って言えない…。

嫌で、嫌じゃない…。

曖昧な僕の気持ち…。