神屋を辞めて三ヶ月。

隣の市にある
公立高校で再び
教師を始めた。

澄歌は神屋に通っている。

それは良かったのだが、
俺が辞めて三ヶ月しか
経っていないのに
その日、澄歌から
衝撃的なことを言われた。

「お兄ちゃん」

何時もよりやけに
真剣な声の澄歌に
向き合って
「何?」と訊いた。

「本当は言わない方が
良いのかも知れないけど
後から知るのも
辛いだろうから言うね」

何をだろうか?

「落ち着いて聴いてね」

いやに引っ張るな。

「何だよ、早く言えって」

何となく、煉次絡みなのは
予想が着いた。

「あのバカ担任ね、
教頭の娘と結婚したんだよ」

やっぱり……って

はぁ!?

何だよそれ!!

「本当なのか……?」

別れてほしいとは言われたが
まさか、教頭の娘と
結婚するとは予想外だったので

「ぅん、学校中大騒ぎ」

そりゃそぉだな。

ずっと表面上は
独り身だった煉次が
いきなり教頭の
娘と結婚するとか言われたら
校内中大騒ぎだろう。

「教えてくれて
ありがとうな澄歌」

上手く笑えてるだろうか?

「お兄ちゃん、
今日も一緒に寝よう」

上手く
笑えてなかったらしい(苦笑)

「そぉだな」

この日、俺の心は
崩壊したのだった。