「なぁ澄歌、
俺は神屋を辞めようと
思ってるんだ……」

私情とはいえ、
あそこに居るのは
堪え難いものがある。

「良いんじゃない」

澄歌が冷凍庫からミルクバーを
取出しながら答えた。

「お兄ちゃんが
あのバカ担任と
同じ空間に
居たくないなら
辞めれば良いと思う」

"バカ担任"か。

普段は"煉先生"って
呼んでたのにな。

って、俺のせいか(笑)

久しぶりに
少しだけ笑った。

「ねぇお兄ちゃん、
今日は一緒に寝ようよ」

澄歌なりに励まして
くれているのだろう。

その日の夜、
何年か振りに
澄歌と同じベッドで寝た。

俺は何時しか
煉次を見つけると
心が痛む様になった。

そして、俺は
退職届を出した。

知ってるのは、
校長先生と澄歌だけ……

崩壊まで後一週間。