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「はい、これ、今日のお弁当!!」


教室で、愛するダーリン(自称)に手作りの愛妻弁当を渡す。

これって女冥利に尽きるよね!


「……どうせ中身はキャベツの千切りなんだろ?」


「違います。今日は、ジャジャーン!!もやしです!!」


効果音に合わせて開かれたお弁当箱と得意げな私を交互に見比べてから、はぁ、と彼は大きくため息をつく。



「いいか。もやしってのは通常、生では食べない」



えー……そうだったの……安いし、栄養とボリュームがあるって、和希くんが教えてくれたから使ったのに。


「それと──」


彼は私の袖をぐいっと引っ張って、廊下に連れ出した。