「春菜、気分どうだ?」


ひろ君が寝室に入ってきてベッドサイドにあるテーブルにカップを置き、私を看病するために用意した椅子に座った。


「良くなってきたよ」


「そっか」


ひろ君が熱を確かめるように私のおでこに手を置き、「だいぶ下がったな」と呟いた。


数日前から体調を崩していた私は、今朝になってやっと熱が下がり始めてきた。


「起きれる?」


「うん」


ひろ君に支えてもらいながらベッドから体を起こし、カーディガンを羽織る。


「ジンジャーティー入れてきた」


「ありがとう」


湯気が出たカップを受け取って、口をつける。


「おいしい。ありがとう、ひろ君」


「どういたしまして」


そう言ってひろ君が、私の頭をなでた。