「ふーん。キスの回数ね~」


ベッドに寝転がって雑誌を読んでいた私は、その声にビクッと肩を揺らしてしまう。


「おっ、おかえり龍矢」


そして慌てて雑誌を閉じて、顔を上げた。


「ああ。ただいま」


ネクタイの結び目を緩めながら、私にキスをする龍矢。


「龍矢、着替えるでしょ?雑誌片付けてくる」


今見ていたページを見られるのは恥ずかしくて、雑誌を握りしめて龍矢から離れる。


「なんで俺から離れるんだよ」


「別に、離れてないけど」


「そうか?」


腰に腕を回されて、グッと龍矢に引き寄せられる。


「キスの回数、だっけ?」


「へっ?」


「随分、真剣に読んでたみたいだけど?」