「んー」


ソファに座っている充に膝枕をしてもらい、雑誌を開きながら目を通す。


でもだんだん上に挙げている腕が疲れてきて、雑誌より腕が痛いことに集中してしまい、内容が全く頭に入ってこない。


というか、最近は徐々に気温が上がり暑くなってきて、そのせいか体が怠くて家事をするので精一杯な日々を送っていた。


「あっ」


一瞬手の力が抜けて、雑誌がソファの下に落ちる。


「菜々、大丈夫か?」


「んー」


せっかく充が心配してくれたのにそれには返事をせず、充のお腹に顔を埋める。


「どうした?」


優しく頭をなでられて、顔を上げる。


「怠いし眠い」


「じゃあ、今日はもう寝よう。ベッドに運んであげるから」


「イヤ。まだ雑誌読みたいもん」


子供みたいなワガママをいう私に、充は苦笑いを浮かべる。