「あ～私の雑誌、勝手に読んでる」


夕食の食器を洗い終わりリビングに戻ると、裕介が私のファッション雑誌をテーブルに広げて読んでいるところが目に入った。


「もしかして、そういう趣味？」


「バカ！そんなわけないだろ」


ちょっとからかってみたら、真剣にそう返事をされた。


それがおもしろくて笑いながら裕介の隣に座ると、頭をコツンと叩かれた。


「勉強だよ、勉強。女子高生の相手は大変なの」


「ふーん」


「ちょっと最近の言葉を知らないだけで、すぐバカにされるんだからな」


「へー」


適当に相槌を打って、裕介と雑誌をのぞく。


「この服、いいな～でも、そろそろ着れなくなっちゃうよね」


そう言って自分のお腹をさする。


お腹の中に新しい命がいることが分かって４ヶ月、最近やっと妊婦さんって分かる体型になってきた。


初めてのことで戸惑いもいっぱいあるけど、今は裕介と穏やかな日々を過ごしている。